Dream Theater の「Dream Theater」

何枚目の傑作だろうか、またしてもDream Theaterがやってくれた。

1曲目「False Awakening Suite」からの流れでキラー・チューン「The Enemy Inside」(帰還兵士のPTSDについての曲)になる構成がすばらしすぎる。「The Looking Glass」はエンディングが唐突なこと以外は満点。「Enigma Machine」は久方ぶりのインスト。一筋縄でいかない曲展開がくせになる。「The Bigger Picture」は後半の転調が心地よい後味を残す。「Behind The Veilメタリカ的イントロから始まり耳に残るサビメロになるメタル曲。「Surrender To Reason」はポップなプログレ。「Along For The Ride」落ち着いて聴かせるバラード。全体的にヘヴィな曲が続く中、この曲で聴き手をクールダウンさせ、ラストを飾る22分の大曲「Illumination Theory」になだれこむ。ジェイムスのボーカルスタイルが実験的で面白い。ストリングスによる壮大な間奏から後半の演奏合戦に至る流れは何度聴いても飽きない。18分過ぎで実質曲は終り、ジョーダン・ルーデスのピアノによるアウトロで幕を閉じる。
「システマティック・ケイオス」や「ブラック・クラウズ・アンド・シルヴァー・ライニング」の2枚に比べて、本作と前作はインストパートの複雑さが増していて聴き込みを要する。自分は楽器はからきしできないが、演奏の難易度はリリース毎に上がっているのかもしれない。恐ろしいバンドだ。