嫌いになれるわけもない『アイアンマン2』

タダで見てすいません…ある劇場のポイントがたまっていたものでつい…

でもしかし。もう一度お金を払って観に行く価値のある作品であると(贔屓目に)言っても差し支えないです!面白いです!
作品全体に占めるアクションシーンの比率はさほどでもないんだけど、それを補って余りあるのが俳優人の堅実な成りきり演技とそのアンサンブル。重要なロールはもちろん、悪役の新顔、ミッキー・ロークとサム・ロックウェル、味方のスカーレット・ヨハンソンに至るまで、全ての出演陣が素晴らしい!(と、言い切ってみる)
ハイテンス(『スピード』公開時のコピー)を求めていた観客には申し訳ないけど、俺たちアクションより芝居してる時の方が楽しいのよ〜、とでも言いたげな画面構成と、脚本。書いたのは『マルホランド・ドライブ』では映画監督役、『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』ではおつとめを終えた「ケープ・フィアー」な役柄を肉体改造でやりきったジャスティン・セローさん。
一作目の持ち合わせていた政治的メッセージ(例えば「アイアンマン」とは軍産複合体そのものであるbyロジャー・エバート)はどこへやら、今回のストーリーはPART1を膨らませただけで、わかりやすい政治性は排除されている。にもかかわらず、スーパーヒーローアクション超大作なのにオフビートな会話劇を挿入するという試みで、ごく稀な形で成功した続編と言っても過言ではない(いや、贔屓目に言ってますからね)。
メッセージの無さを不満点としてあげる人の気持ちもわかるけど…サム・ロックウェルさんが「海軍!」「陸軍!」「空軍!」「海兵隊!」って意気揚々と無人機をプレゼンする様にそこはかとない笑いを禁じえなかった身としては「本作を押さずして何のための批評か?」という存在意義を問われそうで、結果こういう風にしたまでです。面白いですよ!